SUKIYAKI

さて、すき焼きには大きく分けて、関東風と関西風があります。*1
修学旅行で京都の旅館で食ったすき焼きは関西風で作り方が違って、やっぱり違うんだと再確認した記憶があります。

関東風の特徴は二つ。一つが割り下*2を使うことで、もう一つがすき焼きとは名ばかりで、この割り下で牛肉を煮て作ります。こだわるところだと、最初に肉を焼いて香ばしさをだし、その後割り下で野菜と一緒に煮込むそうです。
ちなみに、一般的には野菜も肉も割り下で一緒に煮ます。
こだわり派の人は、すき「焼き」なんだから焼かなきゃだめだと、割り下を鍋の底を覆う程度しかそそがず、タレで焼く感じにするそうです。火が通るとどんどん煮詰まってくるのでその都度割り下をこまごまと足さねばならず、味の調整と温度調整が面倒だそうです。



それに対して関西風は、まさしく肉を焼いて作ります。
油を引いて肉を焼き、ある程度やけたところで砂糖をまぶし醤油をかけてます。酒で味を調整することもあるそうです。
割り下を使わないのが特徴です。
水分調整は野菜からでる水分と酒でするそうです。
といっても割り下を使うわけではないので、実際にはよほど野菜を使わない限りは鍋のそこを覆う程度になり、煮込むというより砂糖醤油ダレを絡めてやっぱり焼く感じです。
野菜をいつ放り込むかはまちまちですが、こだわっているところは、水分がでる野菜と、肉は一緒には焼かないそうです。
またこんにゃくやしらたきは、肉を硬くする作用があるので、やっぱりこだわっているところは一緒には焼かないそうです。*3


ちなみになんで硬くなるかというと、こんにゃくは凝固剤としてカルシウムが添加されていたりする、強いアルカリ性食品です。このアルカリ成分が肉を硬くするのですよ。


予防策として

  1. こんにゃく類と肉は離す(間に豆腐を入れてガードしたりします)
  2. 肉にしっかり火が通ってから、こんにゃく類を入れる
  3. こんにゃく類をいったんしたゆでしておく
  4. そもそも一緒に煮ない(こんにゃく類があとで最後に入れましょう)

というものがあります。



ところで、モーパラは関東風、しかも煮るタイプです。まあ割り下の量は自分で調整できるんですけど。
たいした素材でもないんで気にせず一緒くたに煮込みました。


ところで知る日人ぞ知るすき焼きの調理法に、魯山人風すき焼きがあります。
知る人ぞ知る大芸術家、北大路魯山人 先生が考案したすき焼きの食べ方です。
美食家である魯山人先生は、それまでのすき焼きの調理法が必ずしも肉そのものの持ち味を生かした食べ方ではないと考え、肉そのものの持ち味を殺さないすき焼きの調理法をとたどりついたものです。

  1. 厚手の牛鍋を熱してから、牛脂をまんべんなく伸ばしそのまま置く。
  2. 食べる分だけ牛肉を入れる。肉を入れたら裏返し、手早く酒、みりん、しょうゆの順に入れて味を絡ませる。肉を焼き過ぎないように注意する。
  3. 肉を食べ終わったらダシ汁を少々入れる。豆腐を入れ、鍋の高さに筒切りにした長ネギ、春菊など火の通りにくい順に入れてゆく。
  4. 煮るというよりも炒り付ける。酒、みりん、砂糖のいれて味を見る。
  5. ダシを足して食べる。一度食べ終わるとこれを取り、もう一度肉を入れてくりかえす。
  6. 卵、または大根おろしをつけていただく。
  7. 最後はたっぷりのダシを入れてうどんを煮たててもよい。


というものだそうです。僕は食べたことは無いんですけど。
特徴は、肉と野菜を交互にたべ、一緒には焼かないことです。
ダシを出したり入れたりしなければならなかったりして、結構面倒です。


ちなみにdancyuに紹介記事がのっていたそうで
http://majin.myhome.cx/pot-au-feu/dataroom/rozanjin_sukiyaki/rozanjin_sukiyaki.html
ここによると、二種類の魯山人風すき焼きがあるとか。


関東風は、牛鍋の流れをくみ、関西風は魯山人風に近いのではないかと思ったりします。

*1:境界線は、愛知県豊橋市らしいです

*2:だし汁に醤油・砂糖・みりん・酒などの調味料(最近では化学調味料もぶち込まれてますが)を混ぜたもので、かなり甘めの味。海原先生いわく「このくどくて鈍重な味ときたら」らしい。

*3:ちなみに糸こんにゃくとしらたきの違いは・・・・・(ry