差別とジェンダーと義務と権利

批判や、この女性差別論者がというお怒りは重々承知ですが、この際書きたいことは書いておきます。

でみつ君が女性専用は「男性差別」 ネット上で批判盛り上がる : J-CASTニュースを紹介していました。
この記事の中にも書いてあるように、
wiki男性差別 - Wikipediaのページの情報量はすごいです。

中にはどうでもいいものも結構書いてありますが、とりあえずあげるなら
ノブレス・オブリージュの話。ノブレス・オブリージュ - Wikipedia
これは、この問題に限らず、男女を問わず、いろんな場面で意識して欲しいですね。
権力には義務がついてくること、そして権利には責任がついてくることを、自覚して欲しい。
他人に説教できるほど上等な人間ではないですが、僕は。
ノブレスオブリジェについて
を参照。ところどころ変なことかいてますが、勉強になります。


話は戻ってwikiにのってる男性差別の中で
個人的に男性差別として問題だと思うのは
男女差による責任の軽重の問題。これは即座に是正すべきだと思う。法の理念に反する。
レディースデイの存在。アメリカやヨーロッパでは法的に禁止されてるってほんとですか?これは不公平感が男にとって高いです。意地汚いようですけど、金に関わることだからですかね。
日本では関係ないが、徴兵制の問題もでかい。
年金の問題もなかなか。男だけが働いていた社会が女性もしっかり働く社会に移り変わっていくのにあわせて変えてくべきだと思う。

個人的に興味深いのが

>>嫌がる妻に性交を迫った場合「強姦罪」が成立する事がある一方、
>>夫が嫌がった場合は「性の不一致」の恐れが有るとされて「離婚」の正当な理由として認められる事がある。



>>婚約(結婚)で男性がインポテンツ(性交不能)だった場合離婚は認められるが、女性が不妊体質の場合は認められない。

の二つ。ほへーおとーさんも大変だ。
これ以外にも法律上の取り扱いの違いは、根拠が無い限りははやく是正すべきだと思いますね。法の正当性が失われてしまいます。


まあ、僕が思うに、この差別の問題は、社会の変化にあわせていないことだと思うわけです。
男性が特権を振りかざしていたのは、ある意味ノブレス・オブリージュなり、あるいは単なるオブリージュの対価だったと思うわけです。
男が働いて、戦って、守ってきた歴史からだと思うんですね。
女性は男性に守られるもの、養われるものっていう風潮が長らくあったので、守ってやってる、養ってやってる男性が権利を振りかざしていたのです。
これが正しいかどうかは別の話として、とりあえずこのような論理があったのだと思います。

ここで男女平等の考え方が出てきます。
男女平等を推進することによって、男性の特権を排除し、抑圧されてきた女性の権利を拡大することに徐々に成功してきたわけです。
このことは、誇っていいことだと思います。
しかし、男女を同等に扱うということは、女性は今まで男性に守られてきた部分、養われてきた部分といった、男性に特権を与えることの対価を手放さなければならないということでもあります。また、女性も男性が今まで担ってきた義務を、責任を男性と同等に負わねばならないということでもあります。
男女の差が大きかった昔は、女性の権利を拡大しながらも女性が男性に特権を与えた事の対価つまり女性の特権を確保しておくことの意味が女性にはありました。男性の権利に近づく前に先に特権を手放してしまうのはより事態を悪化させてしまいますからね。

しかし、男女の取り扱いの差の解消が進みつつある昨今では、そろそろ、女性もまたその特権を手放さなければ、男女平等を語るには正当性にかけるところがあることを否めないでしょう。
しかし、男女平等論者(悲しいことに主に女性)の方にはそのような方は見かけません。「レディースデイは男性を不当に差別している」とまで言ってくれとは言いませんが、「レディースデイは女性の財力を見くびっているから撤廃すべきだ!」とかぐらいはいって欲しいものです。


そもそも、レディースデイは、男性よりも給料の低かった女性、あるいは専業主婦で直接自分で稼ぐことが出来なかった女性にも気軽に楽しんでもらおうということで始まった制度であると思います。収入の少ない学生に対する学割と同じようなコンセプトです。
しかし、女性の年収は上昇しつつあるわけです。となれば、レディースデイにはその合理的根拠が失われつつあるばかりか、女性に対して「お前らの収入が低いのはわかってるんだ」といって侮辱しているようなものであるといえます。なぜ男女同権論者が黙っているのか謎ですね。都合のいいところだけ実を取って、名をすてているように見えます。
上にも書きましたが、年金問題も同様だと思います。



このように、男女の格差がある時代には、ある意味合理的であった女性優遇が、男女平等が進む昨今では不合理になってきつつあるわけです。よって、このような社会の移り変わりに合わせて、女性優遇の撤廃もあわせて主張なされないと、男女平等論の正当性には疑問を感じざるを得ないわけです。
女性の待遇を、ホントに男女平等まであげたいのか、それともあくまでもただ女性の待遇をとにかくあげたくて、なおかつ、現状で女性が有利な点は手放したくないのか、よくわかりません。
また、男性側から声高にそのような主張をすることがはばかられるような風潮がいまの社会にはあります。乱暴に言ってしまえば「女性差別論者死ねよ」みたいな、女性の権利を少しでも奪うような主張が許されない雰囲気が漂っています。


いっそのこと、今まで長いこと男性優遇なんだから、これからは女性優遇にしろ!って露骨に言ってくれるほうが、男としても反論しやすくていいんですが、建前として男女平等を振り回されると、男としては下手に反論すると女性蔑視とか女性差別とか男尊女卑とか言われてお手上げになってしまうんです。
この辺を世の女性にも考えていただきたいです。いや、男をやり込めたくてあえてやっているのかもしれませんが。
一部の過激な女性はともかくとして、一般の女性はそうではないと信じています。


次は、「平等」についてちょっとふれたいとおもいます。