続々続・モルト

ウィスキーって本来無色透明だってしってましたか*1?それなのになぜあんな色つくのかというとですね、ウィスキーは蒸留後に樽につめるんですよ。その樽の木の色が酒に出てああいう色になってる*2んです。それは、ブランデーとかでもそうですよ。

んで、なんで樽につめるかっていうと、熟成させるためなんですね。よくラベルにある10とか12とか30とかの数字はその年数分樽につめて熟成させましたってことなんです。
例えば今年売り出された12年物は、12年前に蒸留されて樽につめられていて、今年ようやく瓶に移し変えて(ボトリング)販売されたってことです。
樽のことをCaskといいます。


モルト・ウィスキーの熟成に使われる樽(Cask)はいくつかの種類がありますが主な物は以下の3つ。

  • バーボン樽 

 アメリカンオークで作られた樽で、バーボンウィスキーの熟成に使われた古樽。

 スパニッシュホワイトオークで作られた樽でシェリー酒を熟成させた古樽。

  • プレーンオーク

 一度スコッチウィスキーの熟成に使われた古樽のことで、いわば再々使用した樽の
 こと。元がバーボン樽、シェリー樽どちらでも問わない。リフィルカスクという場合も同
 意義。


それ以外の樽として、一風変わったものではグレンモーレンジ12年 コート・ド・ボーヌ・ウッド・フィニッシュ*3なんてのも。
ボウモアクラレットなんかはシャトー・ラグランジュ*4ってワインの樽で2年フィニッシュしてて、非常に美味です。市場価格は30000円ほどですが、まあ、探せば17000円ほど。
なぜ僕がこんなの飲めるかというと、まあ、持つべきものは金持ちのいとこですね。

 
当然ですが、どんな樽を使用したかによって味や、香りや、色も変わってるわけです。
同じウィスキーの違う樽につめたものの味わいの違いを比べてみるのもいいでしょう。
逆に、かつてウィスキーをつめた樽に他の酒をつめて熟成させるのもあります。奥が深いですよ。


第四夜・終了

*1:蒸留酒が無色透明になるのはまあ、当たり前ですがね、蒸留してるんだモノ

*2:スコッチ・ウィスキーではスピリッツカラメルという甘みを除いた天然のカラメルを添加することを認めていて、これによって色がつく場合もあります。ちなみにスコッチウィスキーではスピリッツカラメルは甘みを調整するためではなく着色料としてのみ使用されます。

*3:コート・ド・ボーヌはフランス ブルゴーニュ地方にあるワイン産地。このボトルはバーボン樽で10年間熟成した後、コート・ド・ボーヌの1級格付け赤ワインを熟成させた空樽で2年間仕上げ熟成を行ったものだそうです。世界限定3000本、日本には正規輸入500本の限定ボトル。16000円ぐらいで手に入りますね。似たようなのでグレンモーレンジ コート・ド・ニュイ・ウッド・フィニッシュなんてのもあります。こちらは53000円ぐらい

*4:実はサントリー所蔵。いい土地なんだけど、いまいちのワインを造っていたのを、サントリーが買い取ってすばらしい醸造所に生まれ変わりつつある。