ヤマノイモ

母親が,山梨から山芋を買ってきた。丸い塊のやつ。
何でもすごく粘りが強くてとろろむきだと言われたらしい。
この丸い塊の山芋は何だと俺に聞くから,大和芋だ,と答えたら
大和芋はグローブみたいなやつだから,違う,とかいわれて紛争になった。


面倒だったけど納得しないので説明することに。
ついでだから此処に載せる。


簡単にいうと,山芋で市場で流通しているのは大きくわけて3種類*1あって
ナガイモ,イチョウイモ,ツクネイモ
ってあるわけです。
ナガイモってのは断面が円で,長いやつ。棒みたいなやつで,東京だとスーパーで売っている山芋はだいたいこれ。
ナガイモって名前で売られているからわかりやすい。
名前を気にしない店はヤマイモって名前で平気で売っているけど,日本人はそういうところ頓着しなさすぎだと思う。
俺はよく細かすぎるっていわれるけど,納得行きませんな。


で,イチョウイモってのがイチョウの葉みたいな形をしているやつ*2だけど,なかにはイチョウの葉の広がっている部分がいくつかに分かれていて,手みたいになってるのもある。
これが,母親がいうグローブみたいになっている,というヤマイモ。


面倒なのは,関東ではこれがヤマトイモっていう名前で流通しているってこと。
でも,イチョウイモって食材図鑑には書いてあるから,イチョウイモっていうべき。


それで,ツクネイモってのが母親が買ってきた,丸い塊のヤマイモ。
伊勢イモと,丹波イモが有名かな。前者が白いので,後者が黒いの。
ヤマイモ類では最も粘りが強く,とろろに向くとされています。
で,関西ではこれがヤマトイモって名前で売られています。
食材図鑑では,こっちがヤマトイモってなってるから,ここではヤマトイモって呼ぶことにします。





ちなみに,本来のヤマイモは,自然薯って呼ばれるひょろ長く,ぐにゃぐにゃしているやつの事で,ヤマノイモと行ったりします。
野生種で,日本原産で,上記のヤマイモ類*3とは別の種類*4


粘りの強さはナガイモ<イチョウイモ<<ツクネイモ≦ヤマノイモ
ナガイモは粘りが少ないから,代わりに千切りとかしてわさび醤油で食べるとうまい。


名前に正確をきす人は,ヤマイモ類だと,ヤマノイモと誤解されるから,ナガイモ類と,ヤマノイモに分けるみたいですね。
ちなみに,ナガイモ,イチョウイモ,ツクネイモは,同じ種類。
学名は,Dioscorea batatasといいます。
ところで,ヤマノイモは,Dioscorea japonica。


*1:正確には3群

*2:ずっと分厚いけどね

*3:野生せず,中国原産。

*4:染色体の数から違うようです。