Toulmin's Model

さー続き書くぞー

さて、三角ロジックの大元たるToulmin's Modelは、
三角ロジックの要素三つ*1の倍の六つの要素からなります。


すなわち、主張、事実、理由付け、裏付け、限定、反証です。
1.主張(C=claim)
ある論説の結論となる要素
2.事実(D=data)
ある主張をささえる証拠となる事実
3.理由付け(W=warrant)
なぜその事実によってある主張ができるか説明する要素
4.裏付け(B=backingだったと思うが・・・・忘れた)
理由付けが正当なものであることをささえる要素
理由付けそのものを証明するもの
5.限定(Q=qualifier)
理由付けの確かさの程度をあらわす要素
論証によって導き出された結論の真実度を表すもの
6.反証(R=rebuttalだったと思う)
「〜でない限りは」という条件を表す要素
反論に対する防御


  B
  ↓
  W
  ↓
D――――――→Q→C
       ↑
       R
とまあ、ロジックチャートはこんな感じ。

実は三角ロジックでは省かれてしまったB,R,Q*2こそがこのToulmin's Modelの真髄なのです。


D→W→C
という流れはあくまでも骨組みであるToulmin's Modelのさらにその骨組みだけをあらわしたものでしかないのです。
これであらゆる議論を検証しようってんだから、そりゃあーた。
できるわきゃない。後述するがToulmin's Modelですら、一般事例に対応するには不完全であるのに。*3


もっとも単純な論説の述べ方は主張←根拠です。
これの根拠を事実と、事実と主張との因果関係に分けたところに三角ロジックの妙があります。
すなわち、根拠を具体的たる事実と抽象的な理由付けに分けたのです。これで、根拠という検証すべき点が、事実認定要素と、理由付けの正当性の二つに分けることができました。
事実認定は基本的にエビをもとに行うわけです。*4


それに対して理由付けは、一般的あるいは普遍的な論理・真理・条理概念等*5の検討によって行うわけです。


事実認定は基本的にエビの検証です。ただしエビからロジカルに導かれる事象は事実に準じて扱いますが。*6


それに対して、理由付けは抽象論ですのでどうしてもあいまいな話になるわけです。
一般的概念、あるいは常識と呼ばれるもので説明しようと思っても、首を縦に振らない人が出てくるでしょう。
そのためにこの理由付けの裏付けという概念があるのです。常に真理*7で構成される数学のモデルにはあまり出てこない概念でもあります。*8
ここで抽象的かつあいまいになってしまいがちな理由付けに、さらなる証明を与えているわけです。うーんすばらしい!!


具体例で言うと
D:


W:


B:


R:


Q:


C:

*1:data,warrant,claim.松本道弘氏によれば、証拠・論拠・結論。

*2:特にB

*3:Modelはあくまでもモデルであって、すべてに対応できるわけではない。経済学のモデルだって、応用経済学のベースでしかないでしょ?モデルとしてはToulmin's Modelはかなりの完成度だけどね

*4:あるいはエビから導き出される更なる事実(に準ずるもの)。

*5:この四つはそれぞれ意味が違う

*6:この辺が複雑。Toulmin's Modelの現実的適用性の限界の例でもある。後述する。

*7:なぜなら真理は反論できないから、理由付けに裏付けはいらない

*8:ただし、理由付けが真理=定理であるとするならば、定理の証明が裏付けになるか。ただ、ここでいっているのはあくまでもモデル。