言葉の意味

勉強していて、言葉のあいまいさについて考える機会が会ったので書いてみました。
ディスの基本はプレゼンにあり、プレゼンの基本はchoice of wordsだっていうのが、俺ので考えです。


CCFだの、NLCだの、AREAだのってはchoice of wordsがしっかりしている前提での補完スキルになるわけです。
では、choice of wordsの重要性を示す例をば。

「男は、働く義務を負う」
↑の文から、得られる情報はなんでしょう?
「男は働かなきゃいけない」って情報が得られる事ぐらい誰でもわかります。
問題は、その先です。



1.男とは成人男性の事だから、「成人男性は働かなきゃいけない」ってことだ。
→男の意味を成人男性に縮めているので、縮小解釈といいます。
縮小の仕方しだいでは、定年前の成人男性や、働く能力をもっている成人男性、とまで縮めることができるでしょう。


2.男とは、広く男性一般をさす。だからこの場合は「男子も成人男性も働かなきゃいけない」ってことだ。
→1とは逆に拡大解釈、といいます。この場合も、何処まで広げるかいろんな拡大解釈が考えられます。


3.男が働かなきゃいけないんだから、女だって働かなきゃいけないってことだ。
→男の場合を、女の場合にも類推して適用するので、類推解釈といいます。
文に書かれているもの以外にも、文と似ているものに、似ているから当てはまるだろう、と類推して考えるものです。
意外と拡大解釈との違いはあいまいです。
例えば、男とは人間の代名詞だから、女も含む、とすれば拡大解釈でも女に労働義務を負わせられることになります。
しかし、この類推解釈の場合は形式的には、男には女は含まれないと定義した上で、男の定義とは別個に、女に対して類推されるわけです。
さらに女の解釈が問題になるのは明らかです。


4.男「は」働かなきゃいけないといってるんだから、女は働かなくていいってことだ。
→男の場合とは反対に女の場合を考えるので、反対解釈といいます。
文に記載されていること以外は文とは反対に考えることです。
日常生活においてかなり、無意識に行っているのがこの反対解釈です。
一番自然かもしれませんね。


5.男は働かなきゃいけない、男女平等なのはあたりまえだ、だから勿論女も働かなきゃいけないってことだ。
→勿論解釈といいます。類推解釈の一種といえます。類推よりも類推の根拠がより強い、といえるでしょう。当然に類推される=勿論、といったところでしょうか。


上記解釈論は、法律を勉強している人なら誰でも知っていることです。(他にも解釈方法があることも。)


ですが、このことを普段深く考えないDIS人は、あまりにも言葉が持つ意味と、それに付随される解釈による意味を軽視しているといえるでしょう。
上記の解釈を組み合わせることによってかなり文のもつ意味は広がりを持ってしまうことになります。


実際にDISの場合には、どのように解釈を行うかを、前後の文脈や、それまでに与えられた情報から総合的に判断するわけですが*1、それはあくまでも推測でしかないので、推理力の弱い人は勿論、強い人でも間違えてしまうことがあります。なのでできる限り推測の余地を入れないようにすべきである、といえます。
日常会話ではニュアンス等も含めて解釈の基準とするわけですが、日常会話ではなく討論であり、さらに英語という不自由な言語による、ということを常に頭においておけば、choice of wordsの重要性が理解できるとおもいます。


実際にはある程度あいまいさを残すことも、一つのテクニックではありますが、
このことをしっかりと意識して、choice of wordsとそれをサポートするterm difinitionを行うようにしましょう。


かなりはしょって書いてあるので、一部びみょーですが気にしないように。


類題
次の文はどう解釈すべきか
ある建物において、「この先スリッパのほか入るべからず」
ある公園において、「車はいるな」

*1:法律の場合はもう少し複雑にか解釈方法が決まります