コンパリの逆理
ESSにはいった人はすくなからずロジカルシンキング、すなわち論理的思考能力というものを求められると思いますが、そのうち実際に論理学を勉強した人、しようとする人はほとんどいないでしょう。そして実際の論理学とは実は穴がけっこう存在します。
もしも論理が絶対的にただしければ機械に擬似的に思考させたほうが正しい解が得られるはずなんですが、そうもいかないのはひとつに論理学のいい加減さがあります。
順位 | 教授 | でみ | 珈琲 |
---|---|---|---|
1 | A | B | C |
2 | D | A | B |
3 | C | E | A |
4 | B | D | F |
5 | G | C | E |
6 | F | G | D |
7 | E | F | G |
けふはコンパリの穴について
学生食堂にA〜Gまでのランチがあるとします。そして上の表は教授、でみ、珈琲のそれぞれの好みです。そこで多数決でベストランチを決めることにしました。一度に全部コンパリするのは無理なのでOne by oneで、まずはAvsB、そして勝ったほうとvsC、さらに買ったほうとvsDという風にコンパリしていくと・・・・あれ?Gランチガカッテシマイマスヨ?
これは民主主義の根幹の一つである多数決(そんな単純ではありませんが)および、
One by oneのコンパリにかかわるパラドックス(逆説、逆理、背理)です。これに関連してケネス・アローやアマーティア・センがノーベル経済学賞をもらいました。
ま、これはすごく極端な例ですが、実際に似たようなことは起こってますよ。
何が言いたいかっていうと、One by oneのコンパリは必ずしも正解にたどり着かない、多数決なんてもってのほかってことですね。
それとは別にして、真に言動をロジカルにしたいなら、論理学は一通り勉強してくことをオススメします。できれば数学と合わせておくといいかと。けっこう目から鱗です。
論理学に穴があるからこそ、その存在と合わせて学ぶことがタメになります。
- けふのBGMその2 坂本龍一 "メリークリスマス ミスターロレンス"